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お客様の声

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清水 大介 様

未来を見据えて粘土を消費する

Q. どんなきっかけで泉陶料の粘土を使いはじめましたか?

清水様: 父が泉陶料の粘土を長く使い続けていましたが、私は元々、自分で土を掘ったり、信楽の土で器を作っていました。その土で作った器は、見た目は渋くて格好良い仕上がりなのですが、しっかりと焼き締まらなかったり、使い心地がイマイチな部分があったりと課題に感じていました。そんな時にふと、父が使っている白土で器を作ってみたところ、焼き締まりはいいし、欠けないものが出来上がりました。また、この頃は、生活で使う器に興味を持ち始めていたタイミングもあって、以来使い続けるようになりました。

Q. いつもどんな粘土を使っていますか?

清水様: 作りたい器の用途に合わせていろいろな粘土を使っていますが、一番メインに利用しているのは白土です。その他、うす赤、黒荒土、特級磁器なども使っています。

Q. 普段はどんな作品を作っていますか?

清水様: 大きく分けて2パターンの器を作っています。ひとつは「生活に寄り添う器」をコンセプトとした一般家庭用の器です。シリーズは全部で10種類位展開していて、20〜60代と幅広い年代の方にご利用いただいています。もうひとつは、料理人さん限定のオーダーメイドの器です。最近は、一皿に対して新しい価値を追求しているレストランさんからのオーダーが多く、魅せ方などにこだわりを持った方と一緒に器を作っています。

Q. 作品を作るときに大切にしていることは何ですか?

清水様: 「器だけで完結しない器」を作るようにしています。TOKINOHAの器は、作品ではなくあくまで器。器単体で格好良いのではなく「料理を盛り付けて完成する」ということを大切に器を作っています。

Q. 泉陶料のおすすめのポイントはどこですか?

清水様: 細かい注文に対応してくれるところです。なかでも、理想通りの硬さで粘土を納品してもらえるので助かっています。なぜここが大切かと言いますと、陶芸の土揉み(粘土の硬さを調整すること)は、器を作るうえでは欠かせない工程ですが、正直とても大変な作業です。土揉みをしなくても良いなら省きたい工程だと前から思っていました。理由は、土揉みをすればするほど器を作る数が減るんです。逆に土揉みをせずに器をつくると、粘土の消費が増えることにもなります。少し違う角度の話になりますが、近年お店を閉める粘土屋さんが出てきていまして。陶芸家として器をつくる原料がなくなることに、非常に危機感を抱いています。そういった背景もあって、土揉みをせずに粘土をどんどん消費するようにしています。

profile

清水 大介 様

1980年京都府生まれ。陶芸を軸にかたちのないかたちを作る会社「Kiyo to-bo(株)」代表。2011年生活に寄り添う器を作る「トキノハ」を清水焼団地にオープン。2021年には、新たにショップと工房を一体化した「TOKINOHA Ceramic Studio」へとリニューアルオープンさせる。他にもHOTOKI、素—siro、ソーホーなど陶芸が未来に続く仕事になるよう活動中。